認知症疾患医療センター
センター長あいさつ

認知症疾患医療センター センター長
葉室篤
人は年を取ると物忘れが増える傾向にあります。中には何かしら日常生活に支障が出ている方もいます。物忘れを感じているご本人、ご家族様、その方を支援している介護・医療関係者は、物忘れが認知症によるものか当然気になります。
また、認知症であった場合、原因(例えばアルツハイマー病か血管性認知症かなど)を診断することは、治療方法がそれぞれ異なるため非常に重要です。
当センターはそのような方々に対して、幅広くご相談を承っております。その後認知症かどうかの診断・原因・治療を考え、近隣の介護・医療機関との連携を図りながらその人らしく暮らしていくための道筋を提案させていただきます。また当センターでは物忘れの状態に合わせた外来作業療法(いきいきクラブ)、重度認知症デイケア、オレンジカフェのどかを運営しています。病院への受診に至っていない方に対しては、狭山市より委託されている認知症初期集中支援を実施しております。
お気軽にご相談ください。
認知症疾患医療センターの役割

高齢化の進展に伴い、今後増加が見込まれる認知症患者様やそのご家族様を医療面から支援するため、埼玉県では計10ヶ所の『認知症疾患医療センター』が設置されています。
認知症疾患医療センターでは、認知症に関する鑑別診断を実施すると共に地域の保健医療・介護関係者等との連携の推進、人材育成等を行うことにより、地域における認知症疾患の保健医療水準の向上を図ることを目的としています。当院は平成27年4月より、埼玉県からこの「認知症疾患医療センター」に指定され事業を委託しています。
認知症疾患医療センターの主な業務
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01
専門医療相談(電話・面談)
専門の相談員が、ご本人やご家族様からの認知症に関するさまざまな相談に対応すると共に、地域包括支援センター等と連携を図り問題に対応します。
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02
鑑別診断とそれに基づく初期対応
専門の医師による詳しい鑑別診断を行い、認知症疾患の診断を行うための検査や診察を行います。診断に基づいた治療や初期対応等を行います。
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03
認知症周辺症状への対応
合併症や周辺症状(幻覚、妄想、徘徊など)に対応します。
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04
認知症医療に関する情報発信
ホームページや各種研修により認知症に関する情報提供や知識の向上を図っていきます。
当院の取り組み
当院では、新オレンジプランに基づき、認知症の方とそのご家族様に対する治療・支援を行っております。

初期集中支援チーム
当院の認知症専門医、作業療法士、精神保健福祉士、看護師などの専門職と、担当圏域の地域包括支援センターの職員で構成されるチームが、狭山市より委託を受けて活動しています。
チーム員が認知症の方や認知症の疑いのある方のご自宅を訪問し、ご本人やご家族様の困りごとや心配なことを伺い、必要な医療・介護のサービスへ繋げていきます。住み慣れたご自宅での生活ができるだけ長く続くよう支援していきます。

認知症カフェ「オレンジカフェのどか」
認知症カフェ(オレンジカフェのどか)とは、認知症の方とそのご家族様、近隣の地域の方々、専門スタッフが集まり、楽しいひと時を共に過ごしながら、情報交換や相談ができる場のことです。
2012年に厚生労働省が発表した認知症施策推進5か年計画(通称「オレンジプラン」)で、「認知症の人と家族、地域住民、専門職等の誰もが参加でき、集う場」として定義された取り組みです。
実施概要
狭山尚寿会病院が主催する『オレンジカフェのどか』では、心休まる「のどか」なひと時を過ごしながら、認知症に関わる悩みや心配ごとにお応えする認知症カフェを目指しています。
認知症に関わる医療・介護関係者のための相談も同時に行っています。
どなたでも参加できますので、どうぞお気軽にお立ち寄りください。
開催日 | 毎月第2水曜日 10:00~11:30 |
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場所 | 狭山尚寿会病院C棟1階リハビリ室 |
費用 | 無料 |
お申し込み | 事前申し込みは不要ですので、当日そのままお越しください。 |
主催 | 医療法人尚寿会 狭山尚寿会病院 認知症疾患医療センター |
お問い合わせ | 狭山尚寿会病院 04-2957-1141 リハビリテーション部精神部門 担当者まで |

認知症サポーター養成講座・認知症予防講座
近隣の市区町村と協力しながら認知症に関する講座を開催・共催しています。
認知症について正しい知識を持ち理解していただくこと、ご本人やご家族様の気持ちを理解していただくこと、認知症の予防や対応の仕方についてなどの講座を行っています。
地域住民の方、企業の従業員の方、小学校・中学校・高校の学生さんなどさまざまな方にご受講いただいています。
狭山尚寿会病院(認知症疾患医療センター)の終末期医療
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『終末期(ターミナル)』の定義
・医師による医学的総合判断に基づいて、回復の見込みがなく、死が予測される状態から死に至る期間
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『終末期医療』の定義
・終末期に提供される特別な医療、およびそれ以前から準備される医療の総称
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終末期における心肺蘇生術(CPR)は基本的に不要である
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在宅死のプログラムを1つの選択肢として用意すべきである